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ワインの里アヴェリーノ県はイタリアをはじめ欧州でも
名高いブドウの産地

カンパニア州内陸にあるアヴェリーノ県。鉄道はほとんど通っておらず、アクセスは主に車またはバス。ガイドブックに載ることはほとんどなく、載っても1、2ページが割かれるくらいです。なので外国人はもちろん、イタリア国内からの観光客にとってもまだまだ「未開の地」でもあります。

Vigna delle Meleのフィアーノ種

実はこのアヴェリーノ県、イタリアをはじめ欧州でも名高いぶどうや栗の産地なのです。

夏は比較的涼しく、冬には雪が降る日も多い標高500メートルから900メートルの高地で育ったぶどうから作られる赤ワインのタウラージ(Taurasi)、白ワインのグレコ・ディ・トゥーフォ(Greco di Tufo)とフィアーノ・ディ・アヴェリーノ(Fiano di Avellino)は世界的にも有名で、イタリアワインの格付けで最上級D.O.C.G.(Denominazione di Origine Controllata e Garantita)=原産地呼称保証付き統制ワインとして認定を受けています。イタリアのぶどうの産地のほとんとは9月中旬くらいが収穫期ですが、アヴェリーノ県のぶどうの産地は高地のため収穫は白ぶどうが10月中旬で、黒ぶどうは10月下旬から11月上旬となります。

Vigna delle Mele のアリアニコ種

標高800メートルに位置するモンテマラーノ地区のブドウ畑を、3年前に購入したのはソレント半島に住む現役銀行員のエンツォ氏。かつては趣味で近くのタウラージ地区のブドウ畑を借りてブドウ栽培とワイン作りを現地で行っていましたが、趣味が興じて自身のブランド、ヴィーニェ・デッレ・メ-レ(Vigna delle Mele)を立ち上げることになりました。

エンツォ氏の畑、こちらの木は昨年植えたばかり。

この畑ではフィアーノ種とコーダ・ディ・ヴォルペ(Coda di Volpe)種を作っています。前者は前述の辛口のD.O.C.G.ワインであるフィアーノ・ディ・アヴェリーノ、後者は辛口でありながら前者よりはフルーティでアルコール度もやや低いワイン、コーダ・ディ・ヴォルペになります。

エンツォ氏

そしてその2週間後、黒ぶどうアリアニコ種(Aglianico)の収穫も無事終了、アリヤニコはカンパニア人が気軽にお肉やチーズと合わせることができるワイン、アリアニコと、3年以上寝かせることによりまろやかでエレガントな高級ワインとなるタウラージが出来上がります。

次回はエンツォ氏のワイン作りをレポートします!