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観光ガイドブックにはないけど私たちがおすすめする
穴場の日帰りスポット、カステッラマーレ・ディ・スタビア

カステッラマーレ・ディ・スタビア(Castellammare di Stabia・カステッラマーレと呼ばれています)は観光ガイドブックにはなかなか載らない人口5万人の町。ナポリからソレント方面に入る手前に位置します。古代ローマ時代はStabiae(スタビアエ)と呼ばれ、実際当時の邸宅「Villa Arianna」や中世の城も残る歴史深い町でもあります。西暦79年のヴェスヴィオ山噴火の火山灰で埋もれたポンペイの町はあまりにも有名ですが、8キロ離れたこのエリアも被害を被りました。

鉄道Circumvesuviana線の駅を出ると正面に「カッサ・アルモニカ」が見えてきます。カッサ・アルモニカとは19世紀末から20世紀初頭の野外音楽堂で、この一時期に流行った建築でもあり、イタリアをはじめ欧州のところどころに残っています。2020年は中止となってしまった神戸のルミナリエの代替策としてイタリアから神戸に送られたことで、知っている方も多いかもしれません。

ナポリ中心地にある市営公園にも有名なものがありますが、「世界で一番エレガントな」と言われているのが1900年に建てられたこのカステッラマーレの「カッサ・アルモニカ」です。細い柱で支えられた繊細さが特徴の建築です。

この町ではかつて、今も町の人々の飲料水として欠かせない自然の炭酸水をはじめ、病気の人や術後の人の治療用である、鉄分や亜鉛が入ったかなりクセのあるお水など、20種類以上の水が涌き出ていました。
治療用の水を販売し、かつセラピー用プールも備えていたテルメ・ディ・スタビア(Terme di Stabia)は2015年に閉館したものの、2020年夏より営業を再開の見込みとなりました。しかしコロナの影響や諸問題で現在は再び休館となっています。一方飲料水を供給する水汲み場は町に3ヶ所あります。そのひとつがFonte Acqua della Madonnaで、ここから出る微炭酸でくせのない水は大人気で、大きなペットボトルをたくさん抱えた人々が24時間訪れています。しかも水は汲み放題で無料!肝臓にも良いらしいです。

左右の長い棒状のビスケットが伝統的なもの。
アレンジして砂糖をかけたバージョンもある。

水が美味しい!ということでカフェやお菓子類も美味しいことで知られています。海沿いを散歩しながらのバール立ち寄りや菓子店を覗いたりも楽しいです。一番有名なお菓子はBiscotti di Castellammare (カステッラマーレのビスケット)で、乾パンに似たお菓子で、棒状の物が一般的です。町には多くのビスケット専門店があります。土地柄船乗りや漁師の町であることから、彼らが長い航海に持っていける日持ちのするお菓子として1850年頃生まれました。ほどよい甘さがたまりません!

実はカステッラマーレには1800年代のボルボーネ朝時代に開業したかつてイタリアで二番目に大きい造船所があり、近年閉鎖の危機がありながら現在も規模を縮小し稼動しています。

海沿いなので魚介が美味しいレストランも多いカステッラマーレには、
ナポリから公共交通機関を使って充分日帰り可能です。ぜひ訪れてみてください!

アクセス:ナポリ中央駅地下にある鉄道Circumvesuviana線Sorrento行きに乗り45分。一日に5本出る急行に乗ると35分。