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ナポリ鉄道博物館最高です

イタリアで初めて鉄道が開通したのはナポリから郊外のポルティチ(PORTICI)の約7.5キロメートル間。イタリア統一20年ちょっと前の1839年、ナポリが王政最後の黄金期の中にあった頃でしょうか。現在はヴェスヴィオ周遊鉄道(CIRCUMVESUVIANA)や国鉄を使って10分ちょっとですが、当時は倍くらいかかっていたみたいです。国鉄のPIETRARSA-SAN GIORGIO A CREMANO駅に隣接しているのが、ピエトラルサ国立鉄道博物館(MUSEO NAZIONALE FERROVIARIO DI PIETRARSA)です。

まさに駅と隣接してます。
レトロで可愛いチケット売り場

鉄道博物館は、ブルボン王家のフェルディナンド2世が1845年に設立した、蒸気機関車工場の跡地を利用して1989年に開館しました。初期の工場では蒸気機関車は1843年に英国製を購入し、それにならって部品を英国から輸入しながら7台の機関車を組み立てたのが始まりだそうです。1853年には700人もの労働者が雇われていました。ローマ法王ピウス9世や、ロシア皇帝ニコライ1世も工場を訪れ感動したと言われています。

昔懐かしい蒸気機関車
結構広く課外授業の学生もちらほら
イタリアを走った初の貨車
イタリア版お召し列車?
画質悪いですがお召し列車内

内部は蒸気機関車を始め、のちにイタリア北部(特にピエモンテ)で製造された時代物の貨車が展示されています。貨車の展示ですから間近でみるとすごい迫力です!

駅の待合室チックな休憩所
1965-1975 年に走行していた国鉄444型は
時速200キロmで当時イタリア最速でした。
444型には「ゆっくり走る亀」のイラストが。
高速列車と亀を並べてイタリアならではのユーモア?

もちろんナポリ~ポルティチ間を走った貨車も展示されていますし、日本で言うお召し列車のようなものでしょうか、イタリア王の専用列車や、囚人を運んでいた列車、郵便列車などの貨車が展示されています。

これ以上は入れないので見にくいですが、
囚人をはこんでいた20世紀初頭の車両

1861年のイタリア統一後は産業が北イタリアに集中していったため、ピエトラルサの工場は衰退していきましたが、それでも1873年までに150両以上の機関車を製造しました。1877年には雇用者数は100人ほどになってしまいましたが、国が直接経営を引き継ぎ、北イタリアで製造される貨車の部品製造や、修理を専門にすることで方向転換を図り成功しました。

昔の郵便電車

それでも衰退の波を抑えることはできず1975年にピエトラルサ工場は閉鎖が決まり、イタリア国鉄財団管轄の鉄道博物館として生まれ変わることとなりました。1989年にこけら落しがあったものの、改修工事を行うため長期に渡ってクローズ状態に。2007年12月19日に再開されました。

お庭はナポリ湾が見渡せる絶景!
写真に写っている車両は100年ほど前の食堂車
おしゃれなカフェも併設してますよ。
レトロな国鉄ロゴ(FS) ランプや
蒸気機関車のデザインのテーブルが可愛い!

知る人ぞ知る博物館で、私は鉄道に全く詳しくないのですが、なかなか面白かったです。ナポリ湾が見渡せる絶景のテラスにはお洒落なバールが併設してありますし、昔の鉄道駅をイメージしたチケット売り場などもレトロで懐かしい雰囲気。開館日と時間も限られていることもあり、旅行者にはちょっと行きにくい場所かもしれませんが、ディープなナポリを楽しみたい方、訪れてみては!

MUSEO NAZIONALE FERROVIARIO DI PIETRARSA

営業時間:木曜日14時~18時、金曜日09時~16時30分、土曜日09時~16時30分、日曜日10時~22時。時間は変わりやすいので事前に問い合わせすることをおすすめします。入場料7ユーロ(18歳以下と65歳以上は5ユーロ)

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