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今回のテーマは世界遺産のポンペイ!修復したばかりの美しいポンペイ・ヴェッティの家!!

ユネスコ世界遺産のポンペイをじっくり回るには何日必要?

ユネスコ世界遺産 として名高いポンペイ遺跡 は、イタリアではコロッセオに次ぐ入場者数を誇るモニュメント で、じっくり周るにはまるまる3日は必要だと言われています。

世界遺産、壮大なポンペイ遺跡

なにせ古代の町の跡なのでメンテナンスが大変 。絶えず見どころの20-30%が閉まっていたりします。
そんな中、今年あたまに約20年の修復 期間を終え、一財産を築いた解放奴隷 の邸宅 と言われる
ヴェッティの家 が見学可能 となりました!
2016年に一度見学可能となりましたが、保存上の問題で再度修復にはいっていたそうです。

ポンペイ遺跡って何?

ポンペイ遺跡自体を、超簡単におさらいしますと、西暦79年8月24日(発掘された炭化したブドウの実から、9月、10月説もあり)に、近郊のヴェスヴィオ火山の大噴火により、火砕流と火山灰により埋まった古代ローマの町です。

1700年間近く灰に埋れていた町は、ボルボーネ王家のナポリ支配の時代、1730年代に入ってから発掘作業が始まりました。現在も20%以上が未発掘です!

紀元前8-7世紀に、オスク人が定住して村づくりが始まり、ギリシャ人支配→サムニウム人支配→ローマ人支配の頃には、人口約2万人、区画整理の素晴らしい、富裕層や政治家の邸宅、飲食店、パン屋や洗濯屋が並ぶ目貫通り、劇場、闘技場公衆浴場や娼婦の館(!)が軒を並べる、非常に現代的で発達した都市となりました。奴隷身分でも、雇用主の許可があれば独立して商いも行えて、かつての雇用主よりリッチになった人も少なくなかったそう。

超簡単に、と言ってもポンペイを説明しだしたら、きりがないのでこの辺で。

ヴェッティの家とは?

主題のヴェッティの家は、ドムスと呼ばれていた富裕層用の住居で、数あるポンペイのドムスの中でも、最も大きなものの一つです。初めて発掘されたのは1894年。歴代発掘隊の努力により、西暦62年に起きた大地震後に完成した、ポンペイ第四様式と呼ばれる壁のフレスコ画のほぼすべてが保存されています。

ヴェッティ家の所有者は、玄関ホールにあった2つの 金の印章にその名前が刻まれていたことや、選挙の告示などから、アウルス・ヴェッティウス・コンヴィーヴァとアウルス・ヴェッティウス・レスティトゥスという、元奴隷または解放奴隷(自由民)であったと推測されています。

ヴェッティの家には、フレスコ画が多数残っています。そのうち12作は神話の場面が描かれています。第1から第3までの様式が組み合わされていることから、ポンペイ第4様式であることがわかっています。特にユピテル(ゼウス)とその息子たちが世界の秩序を執行する者であることを誇示しているもの、オリンポスを追放されたイクシオンなどがテーマになっています。

ヴェッティの家で、神話画以外で最も有名なのは、豊穣の神プリアポスのフレスコ画です。プリアポスは、巨大な男性器を持つ、豊穣と生殖の神様で、玄関にあるこの絵は、プリアポスが男性器とお金を秤で量っている様子を描いています。下部にブドウが描かれていることから、葡萄酒事業で材をなした人々の家、という説が強く、またこの絵が非常にあからさまなので、(奴隷身分から成り上がった)成金の趣味という見方もあるそうです。

とにかく古代にタイムスリップしてしまうかのような、フレスコ画の鮮度には驚かされるばかり。
ポンペイは広いですが、ここは必ず訪れてほしいです!

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